ミッションのオーバーホール

テクノアートの得意分野の一つ、エンジンやミッション等のオーバーホールは、そこに至る理由に「オイル漏れ」というケースが多くあります。

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今回は、昭和38年(1963)トヨペット・クラウンRS41、オーバードライブ付マニュアル・トランスミッションのフル・オーバーホールの御依頼。

やはり”オイル漏れ”に伴うリフレッシュ目的です。

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コラム式シフトで、シフトレバーが右横腹にあるため、ミッション上面のカバーを開けるとミッションの作動状況が見え、ミッション構造の学習教材のような造りです。

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昔、「機構学」の授業で習った「遊星ギヤ」。この仕組がオーバードライブ・ギヤになっています。

主たる目的は、オイル漏れ修理ではありましたが…

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開けてみると、シンクロ機構を持たない1st&バックギヤが著しく磨耗、カウンターギヤの1stが歯欠けしておりました。

十数年前、当時、ガラスのミッションと呼ばれた、フォーミュラトヨタのヒューランド製4速ドグミッションを”ギャーギャー”やってしまったのを開けた時以来に見る光景です。このミッションが歩んで来た50数年間の歴史の中で、誰かが何処かでこのミッションの”ギャー”という叫び声を聞いたと思います。

しかし全体には、50年以上も昔に設計されたミッションは、軽量コンパクトを主眼に緻密な造りの現代設計とは真逆で、頑丈かつシンプルな造り。指定のミッションオイルが#90のシングルグレードで、オーナー様もこれを忠実に守り続けた甲斐あって、その他の磨耗を最小限に喰い止めてくれていました。

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しかし、50年以上前のミッションで歯欠けが発覚。トヨタ共販に新品ギヤがある望みは薄く、通常これは一大事。ワンオフするにも、この一体物のカウンターギヤはホブで加工できるのだろうか?と思いながら、オーナー様と連絡を取ったところ、長年培ったストックパーツに1stギヤ&カウンターギヤの新品をお持ちだったことにより難問クリヤ。このオーナー様とは十数年のお付き合いですが、お持ちのパーツの凄さは、ドラエモンの四次元ポケットに匹敵します。

そのオーナーもお手上げだったのがオイルシール。今回のオイル漏れの原因だったのもオイルシール。こちらはテクノアートが三次元ポケットを使い、紆余曲折あったものの新品入手で問題をオールクリヤしました!

東北地方の山形というこの地で、50年以上前に造られたこの貴重なオーバードライブ付トランスミッションを、今この瞬間にオーバーホールしているのは、世界中を探してもウチだけだろうナ!という実感を噛み締めながら、慎重に組上げて行きます。

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